トレーニングやパフォーマンスにおける“意識”について

意識の仕方には二通りあります。内的意識と外的意識
指導時の「お尻を意識して」とか「床を押して」似ていますが結果としてパフォーマンスは異なります。

一体どちらが効果的なんだろうか

目次

内的意識(Internal Focus)

自分の身体全体や内部の筋肉・関節に意識を向ける。
「膝を曲げて」「お尻の筋肉を意識して」のように動作の過程を意識します。

外的意識(External Focus)

外部の物・環境に意識を向ける。
「床を蹴って」「ここに向かって物を投げて」のように動作の結果を意識します。

パフォーマンスへの影響

垂直飛びのパフォーマンス  跳躍高(JH)、最高速度(PV)、コンセントリック局面の平均速度(MCV)

外的に意識の集中をするように指示された時、内的に意識を集中させた時よりも有意に高いJH、PV、及びMCVを記録した(外的JH = 48.0 ± 5.6 cm、内的JH = 46.4 ± 5.4 cm;外的 PV = 3.6 ± 0.3 m·s−1、内的PV = 3.5 ± 0.3 m·s−1;外的MCV = 2.31 ± 0.22 m·s−1、内的MCV = 2.25 ± 0.23 m·s−1、p < 0.05)。興味深いことに、動作のチェック時に内的に集中するような指示の方をより頻繁に思い出しており、それは被験者が意識的にこれらの指示をより多く処理することで、内的な状態のパフォーマンスを減少させたことが示唆される。

https://www.nsca-hpc.jp/columns/20190612/

10mスプリント

大学のサッカー選手と経験豊富なスプリンターのグループで、10 メートルのスプリント時間と開始速度に対する注意力の影響を評価しました。実験 1 では、大学のサッカー選手は、外部フォーカス条件、内部フォーカス条件、および制御条件の下で 10 メートルのスプリントを実行するよう求められました。10 メートルのスプリント時間については、結果は、外部フォーカス条件とコントロール条件の両方が、内部フォーカス条件よりも大幅に速いスプリント時間をもたらすことを示しました。外部フォーカス条件とコントロール条件の間に有意差は観察されませんでした

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28182969/

このように外的意識の方がパフォーマンスが向上する傾向にあるようです。
あとは目的に合わせて使い分けることが大切ではないでしょうか。

練習・トレーニング・試合、アスリート・一般人・ボディビルダー等でも意識の使い方は千差万別です。

まとめ

内的意識は身体の動きにフォーカスすることから、結果を出すためのプロセスになります。
外的意識は外や環境に意識を向けパフォーマンスを発揮するという結果に結びつきます。

どちらも目的に合わせて使い分けることで有益となるはずです。ある動作ができない・苦手な時に意識の仕方を変えてみることで発見があるかもしれません。

参考文献

1)https://www.nsca-hpc.jp/columns/20190612/

2) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28182969/

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